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三浪不登校うつ病の彼女のやる気を引き出しつつ仏教大心理学科へ
ネスコムBLOG2011.06.02
「合格しました!」という報告。 教師にとっていつもとてもうれしい瞬間です。 でも、Yさんからの「受かりました」の電話連絡は格別のものでした。
Yさんは前年9月頃来塾しました。 三浪、不登校、摂食障害等、長期にわたってさまざまな問題を抱えてきたということでしたが、 理解力も優れており、毎回手ごたえを感じつつ学習が進みました。 しかしまだ体調が安定せず、今まで継続して学習していないので、入試に対応できるレベルまでにはかなりの時間がかかるのではないかという不安もありました。 受験直前も体調が思わしくなく、勉強する気も十分に起きなかったようですが、出題された長文が彼女の関心事だったこともあって、無事に合格できたとのことでした。
受験までの半年の間に、学習以外のことも話をするようになり、彼女の大きな苦しみ悩みの一部を口にすることもありました。 私の経験を話したり、今まで出会った生徒の話をすることもありましたが、大半は彼女の話に耳を傾けるだけで、適切なアドバイスをしてあげることもできませんでした。 ただ常に聞き役に徹し、彼女の心に寄り添うことを心掛けたせいでしょうか、 彼女の肩の力が抜けて、楽になってきている様子が見られました。 物を教えるというのは教師の仕事のごく一部であって、生徒が心を開いて学習に向かえる状態をととのえるのが一番大切なのではないかと、この時ほど強く思ったことはありませんでした。